やっとウトウトし始めた時、玄関の開く音がした。





ベッドサイドにある時計を見ると深夜1時を過ぎていた。





玄関に向かおうと思ったけど、眠さが勝ってしまってまた目を閉じた。





樹さんの足音がなんだか心地よくて、意識が遠退いていく。





けど、カチャっとドアを開ける音と共に眩しい光が射し込んで来て、その明るさに瞼が上がる。






「樹…さん?」





ドアのところに立っている樹さんを呼ぶが返事がない。





どうしたのかと、体を起こしそばまで行こうとしたけど、樹さんからそばに寄って来た。





「樹さっ…………!」





そばに来たと思ったら、力強く抱き締められ2人一緒ベッドに雪崩れ込む。





お酒の臭いが鼻を刺激し、免疫のない私は酔ってしまいそうになる。





私を抱き締めたままの樹さんの背中に手を回そうとした瞬間、体がゾクッとした。





首に温かく柔らかい感触とチュッとハッキリした音。





擽ったさに身を捩ってしまう。





「いつ、き…さぁん……?」