「…秋人さん、あの」 何分か走って、日和はおずおずと小さな声を漏らす。いい加減どこに近付いてきたのか分かってきたらしい。 「なんだ」 だけど俺は素知らぬふり。 「この道って…」 ああ、そうだ。もうすぐしたら車を降りて歩いてもらうからな。 戸惑った表情を隠さない日和。少し顔色が悪い。 受験前のこの時期、連れ出したりした俺が悪いけど、どーしても、今年が終わる前に。 「おまえと来たかったから」 少し、緊張した。 俺達が向かったのは、 日和の、父親の、いるとこ。