「さっ、行くぞ」

涼がそう言って、部屋を出て行こうとする。



あっ。



「涼、先に行ってて? 私、着替えてから行くから」

「ん? その服で十分だろ?」

「あのね……今日はこのネックレスを付けたまま過ごしたいの。この服だと見えちゃうから、タートルネックの服に着替えようと思って……」

私のセリフを聞いて、涼は嬉しそうに笑った。



「分かった。じゃぁ、先に行ってるな」

そう言って涼は部屋を出て行った。





ねぇ、涼。

私の16才の誕生日に、私の部屋で過ごした涼との時間。

私……きっと一生忘れないよ。