「ねぇ海斗ぉ、キスしよっ??」
教室に近づいた途端に聞こえた
緩い、女の声。
その言葉にあたしの方がビクっと震えた。
だめだ・・・
教室には入れない。
今思えば、
あたしは何で黒髪にしたのだろうか??
黒にすれば、あたしを見てもらえる
・・・とでも思った??
自問に答えることが出来ないということは、
内心、そうだったのかもしれない。
海斗の事になると、あたしは
自分を見失いそうになる。
あたしは教室から離れ、屋上に向かった。
その屋上さえも、海斗を思い出してしまう。
・・・あたしには辛い場所。
「・・・さむっ」
扉を開けた途端、入り込んでくる
冷たい風。
それはまるで、
あたしの心のようだった。
たくさんの感情が入り混じって・・・
とても冷たくなってしまった心。
「・・・・海斗・・・・」

