「っ・・・」
気が付いたらあたしは走っていた。
廊下を抜け、下駄箱を抜け、
校庭を抜け、門を抜け。
ひたすらに走った。
遠くで教師の叫ぶ声が聞こえる。
でも、そんなの関係ない。
強行突破はお手の物。
─────今のあたしの目的地は、あそこ。
「ありがとうございましたー」
元気で明るい声に見送られ、
あたしは歩いた。
手にはレジ袋を持って。
街は静かで、たまに車が通るくらい。
この街も寂れたな・・・なんて思ったり。
「ただいま・・・」
なんて、言っても返ってくることはない。
分かっていてもつい、
言ってしまう自分がいる。
「・・・朝帰り、か・・・」
あたしは父親と二人暮らし。
その父親は元ヤン、暴走族。
あたしがこうなったのは父親のせい。
・・・だと言っても過言ではない。

