低い声で海斗がつぶやく。
「・・・・な、なに・・・」
「・・・お前、素はいいんだからさ」
その言葉の終わりとともに、
海斗はあたしの金色の髪をすくい上げ、
自分の口元にあてる。
な、何か・・・
自分の心臓がうるさい・・・
音をたてる心臓。
こんなの初めて・・・
ってか・・・
さっきの海斗の言葉の意味が分からない。
素って何??
「・・・ど、どーゆー意味??」
「そーゆー意味??」
質問で返される。
いつもこうだ・・・・
海斗は話の主導権を必ず握ってる。
いいように、都合のいいように
進められてしまう。
「あのさ、あたしが質問してんだけど」
海斗のあたしの髪に触れている
手を振り払う。
それも、乱暴に。
自分の心臓に刃向かうような行動。

