屋上の扉がある壁に寄りかかる
あたしに近づく海斗。
気が付いたときには、
あたしのまん前まで来ていた。
ちょ、・・・緊張するんですけど・・・
いくらあたしでも、無言でそんなに
近づかれたらひるむ。
昔だったら今頃殴ってるんだけど、
学校で、しかも海斗に手を出すことは
できない。
あたしは海斗を見上げた。
さっきの担任と違って、海斗は
あたしよりもはるかに大きい。
175センチはある・・・と思う。
ひるむ・・・
「な、なに・・・??」
「・・・・・・・・・」
なぜ・・・無言。
ますます恐い・・・
あたしが恐いなんておかしいけど、
喧嘩、非行をやめたあたしには
ちょっと恐いかも・・・
昔だったら
恐いと思ったものは
殴って倒して・・・終わりだった。
でも、殴ることができない今、
殴られたら殴り返すけど・・・
「ねぇ・・・」

