2人でこの部屋に入ったのは、久しぶりだった。
なぜか緊張した。
空の目が腫れているのは昨日と同じで、もしかしてあの日から毎日なのかなと思った。
今から言おうとしていることを伝えたらもっと泣かせることになるかな。
でも泣くのは今だけだから。
嫌いになったら泣かなくなるだろ?
あんまり俺のことで泣くなよ。
すんげー痛ぇから、心が。
先に口を開いたのは空だった。
「あたしの気持ち…」
それを遮って言った。
「俺、空に内緒にしてることがある」
言いたくない。
本当は言いたくないんだ。
俺が空のこと突き落としたなんて…。
いくらガキだからって、ひどいことした。
謝りもしないで逃げた。
思い出したくもない過去。
今までうろ覚えだったのは自分で思い出さないようにしてたからだ。
「ひどいね…。」
痛ぇ。
心が超痛ぇ。
でもこれで嫌いになっただろ?
俺なんて最低の奴なんだ。

