「わかった。何て呼んだらいい」

え?わかった?


「廣瀬か?ヒロか?それともそーちゃんか?」

「ぷっ!そーちゃんって!」

「何だよ。笑うとこじゃねぇし」

「だって赤木君がちゃん付けとか合わなすぎだもん」

「だったら何て呼んで欲しいか言ってみろよ」


うっ、それは困った。

お前って呼ばれるのはやだけど何て呼ばれたいかはわかんない。

どうしよう…。


廣瀬?

ヒロ?

そーちゃん?(笑)




………………。





「……ら。」

「ん?聞こえねぇ」



そうだよ。

今でも最後に呼ばれたあの声は忘れない。

他に呼んで欲しい名前なんてない。



無視されてる時に呼ばれたいと思った名前も。


昼休みに向かい合ってご飯を食べている時に呼ばれたかった名前も。



赤木君に呼んで欲しい名前は一つだけ。




「空って呼んで。」