ドアの前に突っ立ったままだったから、ドアを閉めて赤木君の隣に座った。
「何て言ったの?」
「もっかい言えって言ってんの?」
「もっかい言えない様なこと言ったの!?」
「言ってねぇよ!」
ムキになったよ。
これは確実に言ったでしょ。
そんなこと何で聞いてなかったんだあたし!!
「今度はちゃんと聞くから」
ちょっと意識して上目遣いで言ってみた。
他の男の子には絶対出来ないけど、いつも一緒にいるからかな?
赤木君にだったら何でも行動に移せる気がする。
まぁ、そんな人生初めて狙ってやった技がこの人に効くかどうかは分からないけど。
だって自分でもやっててわかる程ぎこちない…。
「だからぁ」
と言いながらプイッと向こうを向いた。
ん?
あたしの技が効いた?
まっさかねぇー。ははっ。

