夜、『待ってるから』と言われたから取り敢えず赤木君の部屋に向かった。
何だろう?
ちっとも話聞いてなかったよ。
自分の世界にどっぷり入り込んでたし。
はーあ。
話聞いてなかったってバレたら怒られるかも…。
コンコン
「おーう」
いつもの返事が返ってきたのを確認してからドアを開けた。
「失礼しまー」
「おい。なんで手ぶらなんだよ」
いつもなら失礼しますなんて言わないけどあたしの心情的に言ってみた。
のに、『す』と言う前に赤木君の不満そうな声と被った。
「へ?」
すっとぼけた声を出してしまったあたしに赤木君の鋭い目線が突き刺さった。
さっそく話聞いてなかったのバレた?
「お前…。」
お、怒られる!
「やっぱ聞いてなかったのかよ…」
あれ?怒んない。
「う、うん。ごめん」
ていうか落ち込んでるっぽい?

