ん?

今赤木君が入ってった部屋って隣の部屋!!?

隣は今年の春から一人暮らしを始めたお姉ちゃんの部屋だ。


急いで着替えて部屋を出た。

「あ、やっと出てきた」

ちょうど階段を降りようとしているママがいた。


「ママ!お姉ちゃんの部屋に泊めるの?」

「うん。空いてる部屋他にないし。ダメだった?」

「ダメじゃないけど…。」

「大丈夫よ。いい子そうだし」


ママ…。

そういう問題じゃないんだよ。

そしていい子なのかも微妙だし。



「あの…。」

びくっ

いきなり声をかけられて、肩が震えた。


赤木君が部屋の入り口から顔を出していた。



ママの手があたしの肩に乗ったのが分かった。



「廣瀬(ヒロセ)さん…。これからよろしくね」


まっすぐな瞳に見つめられて。


あたしはママの服の裾を掴んだ。



「よろしく…。」