階段を駆け上がり、一直線に自分の部屋まで走って、バタンッとドアを閉めた。
なんで!?
なんで赤木君がいるの!!?
赤木君はクラスでも1番苦手な男の子。
成績優秀。
運動神経抜群。
容姿淡麗。
それだけ聞くと真面目な人だと思うだろうけど。
明るい茶髪。
着くずした制服。
黒い噂…。
たまに赤木君は授業をさぼる。
成績には影響ない程度に。
噂では人の来ない所で女の子とイチャイチャしているらしい。
女の子にルーズな人こそ苦手だ。
だから同じクラスでも話したことは一度もない。
なるべく関わりたくない。
そう思っていたのに…。
同居なんてありえないよ!!
「じゃあこの部屋使ってね」
廊下からママの声がした。
「はい。ありがとうございます」
続けて赤木君の声も聞こえた。
本当にウチに住むんだ…。
やっていけない…。

