「泣いたってなぁ…」

と言ったら空の肩がびくっとなった。


耳まで塞がれた。



怖がらせた。

声も聞きたくないくらい。



ショックだった。


自分が嫌になった。

デカイ声出して言うこと聞せようとした自分も。

それを言い訳した自分も。



「ごめん…」

目の前で小さく丸まって泣いている空を抱き締めた。


許して。

もう二度としないから。




「ごめん、空」

そう言った瞬間、俺は突き飛ばされ尻餅をついた。


前を向くと走り去る空の背中が見えた…。




「いてぇー…。」



尻餅ついたケツよりも、

胸の奥が痛かった。