亮佑は優しい穏やかな顔で口を開く。



「空」

その言葉を聞いたとたん、あたしの目から涙が溢れた。

顔を両手で覆って泣いていると、ふわりと亮佑の腕に包まれた。

「その涙はどういう意味の涙?」


「嬉し涙…」

そう言うと亮佑の心臓の音が大きくなった。


その音をもっと聞きたくてあたしは耳を亮佑の胸にくっつけた。

涙はいつの間にか引いていた。


ドキドキいってる…。


あたしにドキドキしてくれてる?

「空…。好きだ」


え?

亮佑の心臓の音が一層大きく速くなった。

あたしの心臓の音も同じように大きく速くなる。



「空?」


はっ、いけない。

一瞬状況についていけず固まってしまった。


亮佑はあたしの肩を掴んで胸から離すと顔を覗き込んできた。

「あ、うん……。」

目が合うとそこには満面の笑顔があった。

亮佑ってこんな顔もするんだ…。