それからベンチに座って今までのことを聞いた。


こっちに帰ってきて大学に通っているけれど忙しくてなかなか会いに来れなかったこと。


パパと偶然会い、パパが何だか張り切っちゃってここまであたしを連れてくると言ったこと。


二人で笑いながら話した。


あたしはやっぱりどうしても気になって聞いてみた。

「何で、待ってろって言ってくれなかったの?」


そう聞くと亮佑は笑顔を消して正面を見た。

しばらく何かを考えて、ちらっとあたしを見る。


ん?何?


そしてふーっと息を吐き出して口を開いた。

「あの時の俺の苦労の意味がない!」

「は!?」

今までの和やかな雰囲気が嘘だったかの様にいきなり怒られる。

凄い顔で睨まれてます…。