「ヒロ!今日合コンあるんだけどヒロも行ない?」

今日受ける授業も全部終わり、ノートをバッグに入れている時。

大学で仲良くなった子に声をかけられた。



大学でも呼び名はヒロで通している。

もちろん1番の理由はトラウマが原因だけど、今のあたしには空と呼ばれたくないもう1つの理由がある。

もうあの声でしか呼んで欲しくないんだ。


「ごめん、パース!」

「えー、行こうよ。ヒロ彼氏いないのに何でいつも来ないの?」

「心に決めた人がいるからぁ〜」

「何それぇ(笑)」


冗談だと思っている彼女。

今ははっきりとは言えないんだ。

あたしにもこの恋がどうなるかわからないから。


「頑張っていい相手ゲットしてきて!」

「任せて!じゃあまた明日ねっ」

「うん!またねぇ」


笑顔で手を振り見送ってすぐ、あたしの顔からは笑顔が消える。


みんなの様に合コンで胸をときめかせて、出会いに期待して。

そんな日々も羨ましい。




でもあたしは、無理。


亮佑のこと、今も変わらず好きだから。