「あたしのこと…、嫌い?」
「ううん」
すぐに否定された。
嫌いだからあたしを遠ざけようとしているわけじゃないらしい。
「じゃあ何でそんなこと言うの」
真っ直ぐに目を見て言うと、困ったような顔をしながらあたしの目を見つめ返してくれる。
「待ってたらだめなの?」
「……。」
『だから、待ってろ』
さっきそう言ってくれるのを期待していた。
そう言ってくれたら素直に頷こうと思っていた。
でも続いた言葉はあたしの期待を裏切ったけれど…。
「あたし帰ってくるの待ってるよ」
亮佑はパッと後ろを向いた。
「亮佑…?」
何?
何でそっち向いたの?
そして亮佑はゆっくりと右手を挙げる。

