「だから……、」
そこで言葉が止まった。
だから、何?
「ごめんな。」
だから、の後には予想外の言葉が繋がった。
それはきっと最初に言おうとしていた言葉とは違うはず。
「亮佑?」
思わず名前を呼んだ。
「帰って来たらたまには顔出すよ」
「え?」
「その時にはかっこいい彼氏紹介しろよ。まぁ、俺よりかっこいい男はいないと思うけどな」
目線を合わせずに斜め上を見ながら、早口で言った。
彼氏を紹介しろ?
何言ってるの…。
今あたし、好きって言ったよね?
何でそんなこと言うの?
例え亮佑があたしのことなんとも想っていなくても、そんな風に言って欲しくなかった。
「泣くなよ……。お願いだから…」
あたしを泣かせてるのはあなたの言葉だよ。

