「空。今までありがとな」 あたしは首をぶんぶん振った。 「空のおかげで楽しかった」 「あたっ…て、たのっ…」 「ん?」 あたしだって楽しかったよ。 そう言いたいのに、泣いてるせいでうまく喋れない。 「じゃ、行くわ」 えっ、待って。 「元気でな!」 くるっと向きを変え亮佑が歩き出した。 うそ…。 やだ…。 行かないで…。 行っちゃやだよ。 「亮佑!」