「お帰り。」



 夜10時。



 亜紀と飯を食べていたらすっかりこんな時間になってしまった。



 しかし、家に帰ると、そこに待っていていたのは、早川なのは・・・。



 亜紀の言葉が頭をよぎる。



「どうしたんだ?その頬。」



 彼女がこんな時間に家の外で待っていたことも気になったが、それ以上に、頬が赤くはれ上がっているところが見ていて、痛々しかった。



 あからさまに叩かれた後。



 誰が叩いたかなんて・・・考えるまでもない・・・。



「あの人と喧嘩してね・・・結局別れちゃったんだけど、その代償ってヤツ。」



 笑顔で返す彼女とは対照的に、その頬は見ているこちらも痛々しかった。



 まったく・・・。