(踊ろうってことか)


俺は靴を脱ぎ(靴下ははいてなかった)ダーリンの手を取った。


雲から月が顔をだした。

(俺はダーリンが好きだ)

俺たちは月明かりの中、テープが終わるまで踊った。

「疲れたな、休もう」

俺たちは壁に寄りかかって座った。

ダーリンの顔が月明かりに照らされてキレイだった。

(キスしたい)

俺はダーリンの顔に近づいた。

「こら、そこで何をしてる」

校舎側から用務員が懐中電灯を持って歩いてきた。

「やべぇ、逃げよう」

俺たちは靴と靴下を持って反対側の正門に向かって走り出した。


「靴をよこせ」

俺は正門前で靴を向こう側に投げて、門によじ登った。

「手をよこせ」

俺はダーリンを門に上げて、抱き上げてそのまま向こう側に飛んだ。

「いてぇ」

俺はすねを地面にうつつけていた。

「行くぞ」

俺たちは靴を持ってまた走り出した。

「もう大丈夫だろう、疲れた」

俺たちは並木通りまできてそのまま地面に座りこんだ。