(誰…!?)

男の人はスーツにサングラス、
といった出で立ちで、
立っていた。

その時、柚が言った。
「父さん…。」
(えぇっ!?お父さん!?)
びっくりした。

柚のお父さんは、
サングラスを外して、
にかっと笑った。


「よぉ、柚。元気してっか!?」
「元気ならこんな所には居ないよ。
まぁ、明日退院だけどさ。」
「そりゃあ
めでたいじゃないか。
おめでとう。」
「どうも。」

するとお父さんは
あたしに気づいた。
「この子は!?
ガールフレンドか?」
「悪いかよ…。」
「ほう、お前は一丁前に
彼女作ったのか。」
「だからそれが悪いかって
言ってんだよ。」
「別に悪かないさ。嬉しいんだよ。」
「あっそ…。」
柚はそう言うと、
そっぽを向いてしまった。

あたしはそれを見ていて、こう思った。
(照れてるのかな…お互いに。)と。