そして、柚は
自分のお母さんにも言った。
「…母さん。
ここまで来てくれて、
説得を手伝ってくれて
ありがとう。」

すると、おばさんは、
柚を抱き締めて言った。
「よく頑張ったね。
これからも、真桜ちゃんを
大切にしてやりなさい。
迷ったり、困ったり
する事もあると思う。
その時は力になるから。
必ず言うのよ。」
「解った。」

あたしは思った。
子供を愛していない
親など居ないのだと。
たまに虐待なんかもあるけど、
それはごく一部の話で、
自分のお腹を痛めて
産んだ子供なんだから、
大切にしない訳が無い。
愛するって、こういうこと
なのかもしれない。