煙草と水の入ったペットボトルを手に歩きながら、七夕について考えた。


「雨降れば良いな。」


夕べの呟き。

改めて繰り返し、胸の奥がチリッと痛んだ。


「七夕………ね。」


怒ってたな、恭代。

茉莉も怒ってんのかな。


「誕生日なんてもうめでたくない……てか?」


去年の台詞が蘇る。


ここで慌ててメールをしたり、電話をするのはキャラじゃない。

というか、出来ない。

だって、今、茉莉は恭代とバーゲンなんだから。

茉莉の精一杯の優しさなんだから。


七夕について考えながら、また、パソコンにかじりついた。



ごめん。

茉莉の優しさに甘える。

七夕、ちゃんと考えるから。


茉莉…………ごめんな。