ファーストフーズ2号店。

私はいつもの勤務を終え、休憩室でお茶を飲んでいた。

1号店と違って、ここは落ち着ける。


今日、私が残っているのは、ヒトシを待つ為だ。


ヒトシは今日は1号店のほうの仕事で遅くなると言っていた。

1号店の仕事が終わった後に、2号店に来て作業をするそうだ。

相変わらずの多忙である。


ヒトシが2号店に戻ってきたのは、10時過ぎだった。

疲れたような顔をして、袋いっぱいのチキンナゲットを抱えていた。


「お疲れさま」

ヒトシは休憩室に私の姿を見つけて、驚いた様だった。

「まだ待っていたのか。遅くなってすまんな」

「何ですか?そのチキンナゲット」

「試作品だ」

「わあ。見せてください」

「これがレモン味、するめ味、ビーフ味、こっちがパイナップル味、で、これが、いくら味だ」

「食べてみて良いですか」

「感想をもらえるとありがたいな」

ヒトシはそう言うと、帳簿を付け始めた。