ちゅんちゅん。

と、のどかな雀の声。

それと、

トントントントン……と規則正しく鳴り響く包丁の音。

「おはよう」

と、台所に行くと、めずらしく姉が料理を作っていた。

「どうしたの?」

「えへへ。ちょっとね。たまには私もお料理しようと思って」

得意げに姉が答える。

「何なの?それ」

「お豆腐のお味噌汁と、卵焼きよ」

「ううん。料理のことじゃなくて……」

「ああ。これ?新しいエプロンよ。お客さんにもらったの」

姉は、フリルのついた可愛らしいエプロンを付けている。

しかし、問題なのは、その着こなしだった。

「お姉ちゃん」

「何?」

「新婚夫婦じゃないんだから、裸エプロンはやめて!」

全裸でないことは、評価に値するが、エプロンよりもまず下着を付けて欲しいところだ。

「隠れているんだから良いじゃないの」

「尻!」


「仕方ないなあ」

姉はそう言って、渋々パンツを履いた。

ほっとしたのも束の間。

姉が履いたのは私のパンツだった。

「お姉ちゃん、それ私のパンツ!」

「減るもんじゃないし良いでしょう」

「減るってば!」