次の日。

玄関でブーツを履いていると姉に声をかけられた。

「朝からどこ行くの?」

姉は相変わらず全裸だ。

「ちょっとね」

「デート?」

「まぁね」

「ヒトシ?」

「違う」

「浮気?」

「付き合っていないから、浮気のしようがないよ」

「ヒトシのほうは付き合ってるつもりなんじゃないの?」

「そんなことないよ。そんなことより、裸で玄関に来ないでよ!」

「え?なんで」

「ドア開けたときに見られるかもしれないよ」

「そのときは隠れるってば」

「もー。お姉ちゃんってばいつもそうなんだから」

「それより、誰とデートなのよぅ。みどりちゃん」

「あ。もう行かないと遅刻しちゃう!」

姉と話しているうちに、いつのまにか、遅刻ぎりぎりの時間になっていた。

私は大急ぎで外に飛び出した。