スナックポプランは、パチンコ店の店員が言った通り、線路添いにあった。


紫色の看板に、ガラスのはまった木製のドア、に、中が見えないようにレースのカーテンがかかっている。

よくあるスナックだ。

ただ、こういった店の中に入るのは生まれて初めてだった。


「いらっしゃいませ~」

ドアをあけると、鼻をつく臭いとともに、女の甘ったるい声が聞こえてきた。


「あら。お嬢さん一人?」

「あ。はい」


迎えてくれたのは、お姉さんとおばさんの境目くらいの、ふっくらした色白の女性だった。


胸元の大きく開いたワンピースを着ていて、色気がにじみ出ている。


「あの……、ヨッチーさんのことなんですけど」


「あら。ヨッチーのお友達?」


「あ。はい」


「あの、昨日なんですけど、ヨッチー、ここに来てましたか?」


「来てたわよ」

即答だった。