話し合いの結果、私は姉とラーメンを食べに出かけることになった。


前、ヒトシに連れていってもらった、『ラーメンぴょん吉』だ。

少し距離はあるが、このへんでは一番おいしいラーメン屋さんだ。




「へい!いらっしゃい」

ラーメンぴょん吉の店内に入ると、マスターが威勢の良い声で迎えてくれた。


私と姉は、食券を買って、塩ラーメンもやしたまご乗せと、チャーシュー麺を注文した。


「ずるずる。おいしー」

姉は大喜びで、チャーシュー麺をすすっている。

「でしょでしょ」

「ヒトシさん、なかなかやるわね」

「本当。うちの近所にこんなお店があるなんてね」



ラーメンを食べ終えて、一息ついた時だった。

カウンターの中に、見覚えのある顔を見つけた。


若いから、多分バイトだろうか。

店のロゴのついたTシャツを着て、麺を茹でている。

「お姉ちゃん」

「何?」

「あの人……」

「あの人がどうしたの?」

「あの人なの。多分」

「何が?」

「昨日見た偽水色男……」

「え……」