「エリコと連絡を取ろうとしたら、水色男に脅されたってことかな?」

「そういうことだと思います」

「これからみどりちゃんはどうするの?」

「え?どうするって、何をですか?」

「エリコに関する捜査とか、遺書のこととか」

「それは……」

捜査を続けること……
それは、すなわち、脅しに屈しないということだ。

捜査を続けたら、水色男に危害を加えられるかもしれない。

殺されてしまう可能性もある。

ヨッチーやエリコが死んだのは悲しかったけれど、リスクを負ってまで、捜査をすすめようとは思わない。

「もう、このことは忘れようと思います」

私は言った。

「そうか」

「警察の人がきっとなんとかしてくれると思うし」

「……そうだな」



店を出たのは、終電ぎりぎりの時間だった。