「ったく、ツイてねぇぜ。」 後ろから声が聞こえた。 さっきの声に似ている。 「よりにもよって、こいつと一緒かよ。ガキ。」 小声で悪態をつく男。 というか、仲間。 アタシの事を言っている。 アタシは直感的にそう思った。 振り向くことも出来ずただ斉藤さんにくっついて歩く。 それだけしかできない。 「ん?どうしたんだ?」 アタシに気づいた斉藤さんが不思議そうに言う。 「いえ、別に。」 「そうか。」 斉藤さんは鼻歌混じりに見回りをする。 アタシはそんな余裕ではなかった。