「何、話してんだよ。」 「あ!」 「げ!」 聞き覚えのある声。 低くて掠れたような声。 冷めたような声が怒って熱を帯びているように聞こえた。 この声は…。 「だから、何話してんだって?」 「ひっ、土方さん…。」 男の声が固まった。 そう、土方さんが二つの声を遮ったのだ。 「遥がどうのとか、こうのとか。近藤さんがどうのとか聞こえたんだが?」 「いえ…そんなこと。」 怯えきった声。 それに対し土方さんの声はあまりにも落ち着いている。