「そんな・・・。」

「お互いも・・う長くねぇ。」



歳三はアタシを庇って撃たれたのだ。

しかし、弾は歳三を貫通し、アタシの胸へとたどり着いた。



「歳、三。」

「遥っ。」



そんな・・・歳三も死ぬの?

そんなことないよね。

アタシは死んだっていい。

歳三は、歳三だけは生き残って欲しい。



それなのに、どうして・・・・。


どうして・・・!!!




「これが・・人生ってもんだ。」

「ぇ・・・?」

「人殺しの、俺たちが・・ろくな死に方できねぇ・・くらい知ってるだろ。」

「歳・・三。」

「俺は、幸せだった。」



歳三はアタシの上から降りてすぐ横に横たわった。

ぎゅっとアタシの手を握って微笑んだ。


「お前と・・会えてよかった・・・。」


鋭い眼差しは今まで見たことのないほど柔らかい。

それは、もう歳三がこの世を去ることを示唆しているようだった。


「アタシも・・幸せだった。」


歳三が去っても去らなくても、アタシがこの世を去ることはハッキリしている。



なら伝えたい。