ガサ…ガササ……
少し丈の高い雑草の生える山道。
背の高い土方さんは身をかがめて進む。
その後ろをアタシが進む。
あまりかがまなくていいのは幸いだった。
もしかがんでいたら後ろから襲われたとき反応が遅くなってしまう。
「っぁ。」
土方さんが小さく声を上げる。
「いや、ちぃと手を切っちまった。お前も気ぃつけろよ。」
こくりと頷くと土方さんはまた進む。
確かにここの草の葉は固く、笹のようだった。
気をつけなければ顔や手を切ってしまう。
「ちぃと休むか。」
土方さんが顔を歪める。
額には少し汗が浮かんでいた。
そのまま少し暗めの場所に土方さんは歩いていく。

