ガサ……。
手入れが終わった頃土方さんがムクリと起き上がる。
少し寝癖のついた髪と寝ぼけた顔。
「おはようございます。」
「ん…あぁ。」
いつも少し掠れているような声が寝起きだともっと掠れている。
軽い咳払いを何度か繰り返し、しかめっ面をして喉をさする。
「よし。仕度しろ。」
「終わってます。」
少し驚いた土方さんは眉間にしわを寄せる。
が、「それならいい」と後ろを向いて自分の仕度を始めた。
昨日の土方さんとは違っていつもの土方さんに戻っていた。
安堵のため息をついたアタシはそっと首にかけたお守りを握り締めた。

