「遥…。」 ゆっくり自分を取り戻して我に返るとアタシを包んでいたのは土方さんだった。 「ぁ…え……?」 「遥…。」 土方さんはずっとアタシの名前を呼ぶ。 呼ぶたびに抱きしめる力が強くなる。 土方さんの香り。 土方さんの強さ。 全てがアタシを包む。 アタシは土方さんにしがみついて泣いた。 さっきとは違う。 ゆっくり、自分が悲しくて泣く。 土方さんにすがって泣いた。