先にかかってきたのは土方さんだ。
いきなりアタシ目がけて刀を振り下ろす土方さん。
どうやら手加減はしないつもりらしい。
「ぐっ!」
アタシはそれを辛うじて避け、少し距離を取って体制を整えた。
「はっ。結局オメー手も足もでねぇんだろ。」
と、笑う土方さん。
むかつく。
「………よ。」
「は?」
「うるさいですよっっ!!」
アタシは土方さんに斬りかかる。
土方さんはそれを刀を受け止める。
アタシは逃がすまいと刀に力を込め押す。
土方さんも負けじと力を込めて押し返す。
「なかなか・・・女のくせに力は強ぇじゃねぇか。」
なんだよ、どいつもこいつも。
アタシを女だからって弱いと思って。
アタシの力をみくびりやがって。
ふと、脳裏に両親を殺した攘夷浪士の顔が浮かんだ。
憎い。
奴等が憎い。
くそっ。
ここで負けたら奴等を殺せない。
『負けるわけにはいかないッッ!!!』

