「失礼します。」
総司と部屋に入れば近藤さんと土方さんが居た。
土方さんを見るとどうしてだろう胸が苦しい。
「総司、どうして遥を連れてきた?」
総司をにらみつける土方さん。
アタシは慌てて総司をかばう。
「違うんです。アタシが無理やりついてきたんです!」
「どうして?」
「隠し事をされたくなかったからです。
女、子供だからって隠し事をされたくないんです。」
「………。」
「無理にとは言いません。お邪魔なのでしたら出て行きます。」
くるりと振り向いて歩き出そうとした時近藤さんに止められた。
「遥、お前は仲間だもんな!」
と笑った近藤さん。
土方さんも半ば諦めの表情。
「ありがとうございます。」
アタシは静かに座った。
土方さんは一息を付いてから話し始める。
「俺が聞き出した情報によると、
池田屋という店で騒ぎを起こすための会議が行われるらしい。」
「騒ぎ?」
「祇園祭の前の風の強い日を狙い京都御所に火を放つ。
その混乱に乗じて公武合体派を暗殺すると言うものらしい。」
「遥には言っていなかったが、
お上が俺たち新撰組を使って街ンなかの危険勢力の捜索をさせていたんだ。」
「それで、今の情報を掴んだんですか。」
「あぁ。」
難しそうな顔をする近藤さん。
少しの間があいた後近藤さんが口を開いた。

