「辻村さん!」 倒れこむアタシを抱え込んだのは松岡さんだった。 「あぁ…傷が…傷が……。」 「ガキ!」 相手を倒した倉田さんがアタシにかけてきた。 「これで、認めてくれますかね。」 とアタシは笑ってみせた。 倉田さんは唇を噛んでアタシを見る。 なんだぁ。 護ったのに…自分が護れてなかったなぁ。 生きるために殺すとか…これじゃ駄目じゃないかぁ。 力が…誰もが傷つかない力がほしいなぁ。 追い求めても追い求めても手に入らないよ。 追い求めても…… アタシの意識はそこで途切れた。