ひとり<ふたり

リビングに広げた新聞紙にパサパサ落ちる髪の毛。



マキ君の手際のよさに圧巻…。



「昔から叶とリンの専属だから」



だそうです…。



いつもより短く切った髪はリンの少年らしさを更に引き立ててる。



あたしの方が年上に見られそう…。



「マキ、こっちの耳に穴開けて?」

「なにがあった?」

「母さんに会いに行くって決めた」

「わかった」



叶がこっそり教えてくれた。



今リンの耳に開いてる穴の数は3つ。



ひとつ目の時はリンが両親に捨てられた時のもの。



ふたつ目は少しだけ母親と暮らした後に開けたもの。



最後のホールはマキ君と叶と一緒に開けた友情のホール。



なにかある度にリンはピアスの数を増やしてったみたいだ。



「リン、あたしも開ける」

「紅はダメって言った」

「痛いのくらい我慢するもん。リンが痛いならあたしも痛いから…」

「じゃあ後で部屋で」



マキ君がリンの耳に穴を開ける瞬間を見てた。



痛そうで…決意が揺らいでます。