帰り道。
美奈と悠真の話で盛り上がっていた。
「は!?マジ?ラブラブじゃーん。」
「へへ。」
はたから見て「仲いい」って思われたかったから・・・。
「じゃ、明莉さんさいなら。ノロケもほどほどにね。」
「あ!うん。ばいばーい!」
美奈と別れ1人になった。
桜の木の下の長い道を1人で歩いて、やっぱり悠真のことばかり考える。
悠真・・・今何してるのかな?
考えるだけで、ドキドキして会いたくなる。
桜の花びらが肩に落ちた。
取ろうとすると飛んでいって、目の前はピンクでいっぱい。
辺りを見回すと、仲良さ気に歩いている男女を見かけた。
恋する2人の優しい笑顔が幸せそうで、あたしも悠真とこうなりたいってますます思ってしまう。
「今日もメールすっからな。」
彼氏のほうはそう言って、彼女は大きく頷いていた。
素直に気持ちを伝え合える2人を尊敬するな・・・。
あたしなら絶対に無理だ。
きっと、「面倒くさい!」とか言っちゃうんだと思う。
でも内心メールほしくてしょうがなくて・・・・。
馬鹿だなああたし。
素直な女の子になりたいよ。
・・・大丈夫。まだ始まったばかりだ。
この1年で絶対に気持ちを伝えるんだ。

あたしはこのとき、1番肝心なところを1つ忘れていた。
そう、悠真には大好きな彼女が居るって言うこと。