サンタさんと受験生



時間が12時を回る頃には弟はすっかり寝息をたてていた。

今年もまた翌朝になれば騒ぎ出すだろうなと思いながら、俺は静かに新しいDSを靴下に入れた。

「んー‥」

「…!?」

おい、まだ起きてくるなよ。

弟は何かムニャムニャ言っていた。

どうやらただの寝言のようだ。


「…サンタさん。」


………。

お前のサンタは残念ながら俺だぞ。


「サンタなんて実在しねーよ。」

俺の呟きは眠っている弟には勿論聞こえてはいなかった。