「36.4ね。熱はないみたい。」 「そうですか。よかったぁ」 前田はあからさまに、ホッとした表情を見せる。 その表情から見ると、心からホッとしているようだった。 「にしても急に運ばれてくるなんて… 笑ちゃんなんかしちゃったかしら??」 看護婦がそれを言った途端、場のふいんきが冷たくなるような感覚が、辺りを襲った。 一気に沈黙が流れる。 俺は思わず息をのんだ。