俺はポケットから携帯を取り出した。 …救急車を呼ばなくては。 しかし、気持ちばかりが早まって、たった三桁の番号が思い出せない。 いつもだったら、簡単に思い出せるのに。 気持ちばかりが早まって、行動がついていけてない。 しばらく考えて、やっと救急車を呼ぶことができた。 ◆◆◆ 救急車が、何台もの車を追い抜かす。 俺は笑と一緒に救急車に乗り込んでいた。 俺の隣には、白衣をきたおじさんたちが、笑の体を検査している。 「…呼吸困難ですね。 命の危険はないでしょう。」