メモリー




そんな言葉じゃ、やっぱり誤解は解けなくて。


前田は、屋上から飛び出した。



『笑!!』



必死に、叫ぶ。


いつもは名字なのに、我を忘れた俺は、思わず名前で呼んでいた。



前田を追いかけようと俺は、1つ足を踏み出す。



「待って!!」



だけど、前には進めない。


原因は…俺を掴む加藤の手。



『…なんだよ!!』



俺は怒鳴った。


今は、ここで立ち止まってる暇などない。


追いかけなくちゃいけないんだ。



「…えと…ごめんね。」



困ったように、加藤は1つ呟いた。


そんな言葉に、俺は不機嫌丸出し。


…そんなこと言うために、俺を止めたのかよ。


こっちは急いでるのに。