「よし。競争だからな!!」



見えるのは、横に並んだ小学生4年生ぐらいの男の子2人。


無邪気に笑って、微笑んで。


どうやら、かけっこで勝負をするみたい。




『…いーなぁ』



思わず、声がこぼれていた。



実はあたし、走るのが凄く好き。

もともと走るのが得意で、中高ともに陸上部の短距離をやっていたぐらい。




今は、退部してやめちゃったけど…。


走るときの風の気持ちよさや、広がっていく景色。

それは今でも覚えている。




本当に、本当に、大好きだった。



小さいころの夢は、短距離走の選手。

叶うことのない、夢。