「勝手に入って来んなよ」


「仕方ないじゃない。おばさんに鍵渡されちゃってるし……」


持って来たタッパーをテーブルに置いて、眉をしかめながらソファーで寝転ぶ健一を見た。


あたし達は、同じマンションの同じ階の隣同士の部屋に住んでいる。


あたしが保育園に入った頃、栗原一家が引っ越して来た。


それ以来、ずっと幼なじみの関係。


「別にいらねぇって……」


ふて腐れたように再びため息を漏らした健一は、おもむろに起き上がってリビングから出て行った。