またあの季節がやって来た。

そしていよいよ、再びあの時が近づく。



11月11日11時11分11秒



運命を変える、あの時間が――――‥



「ねぇ、織。今年は何願うの?真面目に高校合格とか?」



今年の3時間目は、グラウンドで体育の授業。

しかも苦手なハードル。


去年は確か、嫌いな理科の授業だった。


なんかこの日って、ツいてない……!



そんなことを考えていたら、ハードルを跳び終えた麗奈が近づいてきては、声をかけられた。


もう秋、この日かぁ……


そんな風に思っては、知らないうちに顔がにやけていく。



「まさか!そんな真面目なこと、私が願うって本当に思って言ってる?」


「そんなわけないでしょ!……また去年と同じことでも?」


「うーん……それもどうかなぁ……」



私もハードルを跳ぶ為に並んでいて、会話の途中でちょうど順番が回ってきてしまった。



冷たい風を切って走る。



それが私には、どうでもいいことには感じられない。

今日が特別な日だからかな。



どうしてもあの人達のことを思い出さずにはいられないんだ―――…