テーブルに朝食を並べていると、廉が起きて来た。


「おはよ、廉」


まだ眠そうな顔をしている廉が近付いて来て、あたしを後ろから抱き締めた。


「澪……」


不意に耳元で囁かれて、胸の奥がキュンと鳴いた。


「なぁに?」


ドキドキしながらも平静を装って振り向くと、すぐ目の前に廉の顔があった。


元々綺麗な顔立ちの彼は、寝起きでもすごくカッコイイ。


「顔、赤いけど?」


廉は意地悪な笑みを浮かべながら言って、あたしから離れて椅子に座った。


あたしは何だか少しだけ悔しくて、頬を膨らませてみる。


「澪、飯」


「はぁい……」


キッチンから残りの朝食も運んで、あたしも椅子に座った。


「「いただきます!」」


声を揃えたあたし達は、いつものように朝食を食べ始めた。